# 実現分散：計算式、年率換算、測定条件

実現分散が観測リターンの二乗和で測られる仕組み、計算条件の重要性、分散とボラティリティを混同しない解釈を解説します。

正規 URL: https://wiki.fcontext.com/ja/options/realized-variance/
事実確認日: 2026-07-22

> 教育目的のみであり、投資助言ではありません

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## 端的な答え

**実現分散**は、指定した観測期間に実際に起きた価格変動を測ります。一般的な推定量は対数リターンの二乗を合計し、年率換算します。実現ボラティリティは実現分散の平方根です。

測定条件から独立した実現分散はありません。銘柄、価格源、最初と最後の観測値、リターン定義、間隔、平均の扱い、年率換算係数、欠損値、コーポレートアクションで結果は変わります。契約の決済には正式仕様が優先され、研究上の推定とは条件が異なり得ます。

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## 計算式と条件

価格 `P₀, P₁, …, Pₙ` に対する各対数リターンは：

`rᵢ = ln(Pᵢ / Pᵢ₋₁)`

日次平均リターンをゼロとする一つの方式は：

`RV = (A / n) × Σᵢ₌₁ⁿ rᵢ²`

`A` は年間観測数で、米国市場の日次データでは `252` がよく使われます。年率実現ボラティリティは `√RV` です。この方式で分散 `0.04` はボラティリティ `0.20`、つまり `20%` に相当します。

標本平均を引く、`n − 1` で割る、単純リターンを使う、日中価格を使う推定法もあり、互換ではありません。高頻度化は日中変動を多く捉える一方、ビッド・アスク反跳、価格刻み、非同期気配、誤データという市場マイクロストラクチャー・ノイズを生みます。実現カーネルなどは、その一部に対処する手法です。

CboeのS&P 500分散先物は具体的な契約方式を定めています。S&P 500指数の日次対数リターン、平均ゼロ、`252` 日年率換算、指定終値と最終特別始値を使用します。この方式を別の商品や研究系列に無条件で代用できません。

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## 5リターンの計算例

連続5日の対数リターンを `+1.00%`、`−0.50%`、`+0.75%`、`−1.25%`、`+0.25%` とします。小数表記した二乗和は：

`0.0100² + (−0.0050)² + 0.0075² + (−0.0125)² + 0.0025² = 0.00034375`

平均ゼロ方式と年間 `252` 取引日を使うと：

`RV = (252 / 5) × 0.00034375 = 0.017325`

`実現ボラティリティ = √0.017325 = 0.1316 = 13.16%`

分散は `0.017325` であり、`13.16%` ではありません。ボラティリティ・ポイントの二乗なら約 `173.25` です。`(13.16)² ≈ 173.19` との差は丸めによります。5日標本は短く不安定なので、これは算術の例であって信頼できるリスク推定ではありません。

リターンを二乗するため、大きな観測値の影響は不均衡です。`−1.25%` を `−5.00%` に置き換えると、他の4日が同じでも年率分散は `0.13545`、実現ボラティリティは約 `36.80%` になります。

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## 測定・利用チェックリスト

- 計算前に開始・終了、時間帯、カレンダー、観測時刻を固定する。
- 調整済み・未調整価格を統一し、分割、分配、古い値、欠損値を明示的に扱う。
- 対数か単純リターンか、平均をゼロとするか標本推定するかを記す。
- 除数と年率換算係数を採用方式に合わせる。
- オーバーナイトとノイズを調整せず5分足と終値間推定を直接比べない。
- 計算中は完全な精度を保ち、報告値だけ丸める。
- 現時点までの実現分散と将来予想分散を分ける。満期前の商品は両方を含み得る。
- 観測障害、訂正、最終決済、乗数、表示単位を契約書で確認する。
- 過去の実現分散は測定値であり、予測や将来範囲の保証ではない。
- ジャンプとデータ誤りをストレスし、二乗和を支配し得ることを認識する。

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## よくある誤解

- 「実現分散と実現ボラティリティは同じ数値だ。」ボラティリティは分散の平方根です。
- 「分散400はボラティリティ400%だ。」ポイント二乗表示の `400` は `20` ボラティリティ・ポイントです。
- 「観測数が多いほど必ず良い。」過剰な頻度はマイクロストラクチャー・ノイズを増幅します。
- 「日次分散は日中と夜間のリスクを同量含む。」終値間リターンは両方を統合しますが寄与を分離しません。
- 「標本平均を引くかは無関係だ。」影響が小さくても明示すべき方法選択です。
- 「実現分散は満期後のインプライド・ボラティリティだ。」前者は観測リターン、後者はモデルを通じたオプション価格から得ます。
- 「年率換算は情報を増やす。」尺度を変えるだけで、短いノイズの多い標本を改善しません。
- 「すべての分散契約は教科書式を使う。」観測、価格源、障害規則、単位、決済条件は異なり得ます。

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## 関連トピック

- [ヒストリカル・ボラティリティ](/ja/options/historical-volatility/)
- [インプライド・ボラティリティ](/ja/options/implied-volatility/)
- [インプライドと実現ボラティリティ](/ja/options/implied-vs-realized-volatility/)
- [コリドー分散スワップ](/ja/options/corridor-variance-swap/)

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## 出典

- [Cboe S&P 500分散先物の契約仕様](https://cdn.cboe.com/resources/participant_resources/SP_500_Variance_Futures.pdf)
- [Cboe分散計算ツール利用ガイド](https://www.cboe.com/document/tech-spec/document/technical-specifications/sp-500-variance-futures-variance-calculator-user-guide/)
- [Andersen、Bollerslev、Diebold、Labys：実現ボラティリティのモデル化と予測](https://doi.org/10.1111/1468-0262.00418)
- [Barndorff-Nielsenほか：株価の事後変動を測る実現カーネルの設計](https://doi.org/10.1111/j.1368-423X.2008.00275.x)