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騰落線 A/D Line:市場の広がり、ダイバージェンス、限界

教育目的のみであり、投資助言ではありません

騰落線(Advance-Decline Line、A/D Line)は、市場の広がりを示す累積指標です。各取引日について、値上がり銘柄数から値下がり銘柄数を差し引き、その純数を前日の累積値に加えます。問いは単純です。上昇に参加している銘柄が多いのか、下落に参加している銘柄が多いのか。

この指標が役立つのは、時価総額加重指数が多くの小型銘柄の下落中でも上昇し得るからです。少数の大型株が指数を押し上げる一方、騰落線は集計対象の各銘柄に同じ一票を与えます。したがって参加度の指標であり、目標株価、評価モデル、単独の売買シグナルではありません。

定義した銘柄ユニバースについて:

純値上がり銘柄数 = 値上がり銘柄数 - 値下がり銘柄数

今日の騰落線 = 昨日の騰落線 + 純値上がり銘柄数

1,800 銘柄が上昇し、1,200 銘柄が下落した場合、純値上がり銘柄数は +600 で、線は 600 上昇します。翌日に 900 銘柄が上昇し、2,100 銘柄が下落すれば純数は -1,200 となり、2日間の累積変化は -600 です。

開始値は任意です。チャートをゼロ、10,000、その他の基準から始めても、その後の傾きや転換点は変わりません。絶対水準よりも方向、新高値・新安値、対象指数を確認しているかが重要です。

ユニバースの定義は重要です。NYSE全体、Nasdaq全体、S&P 500構成銘柄だけの系列は、集計対象が異なるため別の情報を示します。ファンド、優先株、新規上場銘柄、流動性の低い証券を含む口径もあります。同じデータ源を継続して使い、異なるルールの系列を混ぜないことが大切です。

時価総額加重指数が5銘柄で構成され、A社が60%の比重で 3% 上昇し、残り4銘柄がそれぞれ10%の比重で 1% 下落したとします。

指数リターン ≈ 60% × 3% - 40% × 1% = 1.4%

指数は上昇しますが、広がりは弱い状態です。上昇は1銘柄、下落は4銘柄なので、純値上がり銘柄数は 1 - 4 = -3 です。どちらも正しい情報です。指数は時価総額加重の成績を示し、騰落線は参加銘柄数を示します。

5日間の純値上がり銘柄数が +800+450+200-300-700 だったとします。騰落線は最初に上昇し、その後下向きになります。同じ期間に指数が小幅上昇を続けるなら、上昇が少数の大型構成銘柄に集中している可能性があります。

これは自動的な売買理由ではなく、追加確認のきっかけです。等ウェイト指数、業種別の広がり、出来高、52週高値・安値、比較対象のユニバースが指数と合っているかを確認します。

弱気のダイバージェンスは、指数が高値を更新しても騰落線が更新しない状態です。強気のダイバージェンスは、指数が安値を更新しても騰落線が前回安値を下回らない状態です。これは確認力の低下を意味しますが、トレンドがいつ反転するかを指定するものではありません。

  • 問いに合う銘柄ユニバースを使います。Nasdaq全体の線はNasdaq 100構成銘柄の線と同じではありません。
  • 変わらず銘柄の扱いを確認します。データ源によっては別枠にし、微小な価格変化で分類が変わる場合もあります。
  • 上場、上場廃止、売買停止、構成銘柄変更に注意します。長期系列に影響します。
  • この線は銘柄数を数えるだけで、金額を数えません。小型株と超大型株がそれぞれ一票です。
  • リターンの大きさは分かりません。0.01%上昇も10%上昇も一つの値上がり銘柄です。
  • 1日だけで結論を出さないことが重要です。広がりは孤立した数値より、一貫した系列として見る方が有用です。
  • 学術的・歴史的関係は検証の材料であり、将来リターンの保証ではありません。

「騰落線が下がれば指数はすぐ下がる」 集中相場は数週間から数か月続くことがあります。線は参加度を示すだけで、タイミングを示しません。

「すべての騰落線チャートは同じ値になるはず」 開始日、ユニバース、データ規則が違えば水準も違います。同じ系列内で方向と転換点を比較します。

「値上がり銘柄が多いほど資金流入が多い」 騰落線はドル建て資金フローや売買代金を測りません。

「単一銘柄にも使える」 伝統的な騰落線はバスケット、取引所、指数の広がり指標です。単一銘柄には内部の値上がり・値下がり銘柄数がありません。