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配当性向:利益とキャッシュフローによるカバレッジ

教育目的のみであり、投資助言ではありません

**配当性向(Dividend Payout Ratio)**は、企業が利益のうちどれだけを普通株配当として分配したかを測ります。期間と株式定義が一致すれば、次の利益ベースの式は同じ結果になります。

配当性向 = 宣言普通株配当 ÷ 普通株主帰属利益

1株当たり配当性向 = 1株当たり普通株配当 ÷ 希薄化後EPS

現金ベースの補完指標は次です。

現金配当性向 = 普通株主への現金配当支払額 ÷ フリーキャッシュフロー

カバレッジ指標であり、配当の安全を証明しません。利益は発生主義、FCFは非標準指標であり、取締役会は将来配当を増額、減額、見送り、停止できます。

会社の10-Kまたは10-Qを用い、分子と分母を照合します。

  • 普通株配当には普通株主帰属利益を使います。連結純利益から始めるなら優先配当を控除します。
  • 年間、直近12か月、四半期を揃えます。1四半期の配当を年間EPSで割りません。
  • 通常配当と特別配当を分け、一時的分配を反復配当として年率換算しません。
  • 「宣言」と現金「支払」を区別します。宣言と支払が別期間になることがあります。
  • 1株当たりカバレッジには希薄化後EPSを使い、配当総額、純利益、営業CF、設備投資、希薄化後株式数も確認します。
  • FCF式を明記します。一般的な近似は営業CFから設備投資を引きますが、リース、買収等の必要支出が残ります。

内部留保率は 1 - 配当性向 とされますが、整合的な測定かつ利益が正の場合に限ります。会計上の内部留保は現金残高と同じではありません。

普通株主帰属利益 $400m、希薄化後EPS $4.00、通常配当 $2.00、希薄化後株式数 100m、宣言普通株配当 $200m とします。

利益配当性向 = $200m ÷ $400m = 50%

1株当たり配当性向 = $2.00 ÷ $4.00 = 50%

営業CFが $330m、設備投資が $110m なら、簡易FCFは $220m です。

現金配当性向 = $200m ÷ $220m = 90.9%

利益基準は中程度でも現金カバレッジは逼迫しています。翌年の正常利益が $250m に低下し配当が $200m のままなら、増配なしでも性向は 80% です。利益が -$50m なら通常の性向は負となり経済的意味を失うため、損失と現金カバレッジを示します。

  • 少なくとも一つの景気循環を比較します。循環企業のピーク利益は性向を不自然に低くします。
  • 大きな資産売却益、税効果、減損、再編等を正常化し、GAAP値への調整表を残します。
  • 複数年の営業CFと定義を明示したFCFで配当を確認します。
  • 債務満期、利息、リース、年金、規制資本、運転資本、確約設備投資を確認します。
  • 配当方針、取締役会決議、法的制限、財務制限条項、資本配分優先順位を読みます。
  • 希薄化後株式数を追います。自社株買いは一定の1株配当に必要な現金を減らし、発行は増やします。
  • REIT、銀行、保険、パートナーシップ等には業種別会計・分配ルールを使います。
  • 利益、現金化、借換費用、設備投資を同時にストレステストします。

低い性向は再投資、債務削減、買戻し、循環性、または不適切な資本配分を示し得ます。高い性向は安定した軽資産企業には適切でも、変動的・高負債・資本集約企業には持続不能かもしれません。

  • 「50%未満なら常に安全。」事業変動、負債、再投資需要により低くても危険です。
  • 「100%超なら直ちに減配。」現金や一時的減益で短期は維持できても、継続的不足は要検証です。
  • 「負の性向は非常に保守的。」利益が負なら標準比率は解釈不能です。
  • 「配当利回りと配当性向は同じ。」利回りは市場価格、性向は利益・CFを使います。
  • 「CF計算書の支払配当は宣言配当と一致する。」時期と未払配当で差が出ます。
  • 「調整後性向はそのまま比較できる。」調整定義の照合が必要です。