アイアン・バタフライ:損益、損益分岐点、満期リスク
教育目的のみであり、投資助言ではありません
直接的な答え
Section titled “直接的な答え”ショート・アイアン・バタフライは、同一中心行使価格のショート・コールとショート・プットに、低い行使価格のロング・プットと高い行使価格のロング・コールを組み合わせ、全レッグを同一満期にします。通常はネット・クレジットで建て、満期最大損失を限定します。最大利益には原資産が中心行使価格で終わる必要があり、どちらへ動いても急速に利益が減るため、アイアン・コンドルより集中しています。ウイングは尾部損失を限定しますが、執行、早期アサインメント、満期リスクは残ります。
4レッグ構造と満期損益
Section titled “4レッグ構造と満期損益”下側 K_L、中心 K_M、上側 K_U、1株当たりクレジット c とします。K_L プットを買い、K_M プットとコールを売り、K_U コールを買います。等幅 w なら最大利益は c×乗数、最大損失は (w-c)×乗数、損益分岐点は K_M-c と K_M+c です。
非対称なら下側 (K_M-K_L-c)×乗数、上側 (K_U-K_M-c)×乗数 を別計算します。クレジットは受取現金であって確定利益ではありません。満期前の手仕舞い費用は現物、ボラティリティ、時間、スキュー、Bid/Ask で決まります。
90/100/110 の例
Section titled “90/100/110 の例”原資産 $100 付近で、$90 Put 買い、$100 Put 売り、$100 Call 売り、$110 Call 買い。クレジット $4.00、乗数 100 なら:
- 最大利益:満期
$100で$4×100=$400。 - 最大損失:
$90以下または$110以上で($10-$4)×100=$600。 - 下側損益分岐:
$100-$4=$96。 - 上側損益分岐:
$100+$4=$104。
満期 $98 なら手数料前利益は ($4-$2)×100=$200。$107 ならコール・スプレッド費用 $7 により ($7-$4)×100=$300 の損失です。これは満期損益であり、保有中の時価ではありません。
管理とリスク
Section titled “管理とリスク”- 4レッグを一つのパッケージで執行・評価し、レッグ別約定による裸または方向リスクを避けます。
- 理想仲値ではなく約定可能な Bid/Ask、乗数、手数料、数量を使います。
- クレジットを両側ウイング幅と比較し、非対称なのに対称とする損益図を疑います。
- 価格、IV、スキュー、時間、スプレッド拡大を検証します。中心付近で通常ショート・ボラティリティかつ正 Theta でも Greeks は急変します。
- 決算、経済イベント、権利落ち日、株券貸借を確認します。
- アメリカン型ショートは早期アサインされ、株式、証拠金、配当義務を生じ得ます。
- 満期に中心付近だと時間外の小変動で行使レッグが変わる Pin Risk があります。
- ロング・ウイングが同時にアサインメントを相殺するとは限りません。
- 満期週より前に利食い、最大許容損失、調整、退出時刻を定めます。
- 証券会社の行使締切と買付余力を確認します。
よくある誤解
Section titled “よくある誤解”- 「限定リスクなら低リスクだ。」最大損失はクレジットを上回り急速に発生し得ます。
- 「横ばいなら最大利益になりやすい。」一つの行使価格のごく近くで終える必要があります。
- 「受取クレジットはすでに利益だ。」残存価値を買い戻して閉じます。
- 「アイアン・コンドルと同じだ。」バタフライはショート2本が同じ行使価格でピークが狭い構造です。
- 「正 Theta なら毎日利益だ。」価格・IV が減価を上回り、Theta 自身も変わります。
- 「ウイングでアサインメントはなくなる。」満期損益は限定しても早期アサインは防ぎません。
- 「損益図だけで十分だ。」通常は満期価値のみで、経路と執行費用を示しません。