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プット・レシオ・バック・スプレッド:急落の凸性と中間損失帯

教育目的のみであり、投資助言ではありません

本稿の 1対2プット・レシオ・バック・スプレッド は、同じ満期で高い権利行使価格 K_H のプットを1枚売り、低い K_L のプットを2枚買う構成です(K_H > K_L)。低い権利行使価格付近の損失帯と引き換えに、下側損益分岐点を割った後の下落エクスポージャーが増加します。

建玉は受取、ゼロコスト、支払いのいずれにもなり得ます。受取でも無損失ではありません。満期最大損失は K_L で発生し、ショート・プットには権利行使価格幅の本源的損失がある一方、2枚のロング・プットにはまだ本源的価値がありません。さらに急落すると2枚の買いが1枚の売りを上回ります。

名称はプラットフォーム間で統一されておらず、逆の数量比を「レシオ・スプレッド」と呼ぶ場合もあります。名前より各レッグの符号付き枚数を確認します。

1株当たり純受取額を C とし、支払いなら負の C を使います。満期利益は:

Π(S_T) = −max(K_H−S_T,0) + 2max(K_L−S_T,0) + C

  • S_T ≥ K_H:全プットが無価値となり、利益は C
  • K_L ≤ S_T < K_H:売りだけに本源的価値があり、利益は S_T − K_H + C。上側損益分岐点は K_H − C
  • S_T < K_L:買い2枚が寄与し、利益は 2K_L − K_H − S_T + C。下側損益分岐点は 2K_L − K_H + C
  • 最低点は S_T = K_L で、利益は C − (K_H − K_L)。負なら最大損失は K_H − K_L − C

株価の下限をゼロとすれば、ゼロでの最大満期利益は1株 2K_L − K_H + C で、大きくても無限ではありません。満期前は通常、2枚の買いが下落方向の正の凸性と正のVegaを与えますが、実際のグリークは価格、時間、スキュー、プレミアムで変化します。

株価 100 付近で 100 プットを1枚売り、95 プットを2枚買い、純受取 1.00 とします。100株乗数、手数料前では:

満期株価 1株当たりオプション価値 1株当たり純損益 ポジション損益
105 または 100 0 1 +$100
99 −1 0 $0
95 −5 −4 −$400
91 −1 0 $0
85 5 6 +$600
50 40 41 +$4,100
0 90 91 +$9,100

損益分岐点は上側 99、下側 91。最大損失は株価 95$40091 より下では下落するほど利益が増えます。実際の純プレミアムが変われば両分岐点と最大損失も変わるため、複合注文の約定価格が重要です。

単にプットを2枚買う取引ではありません。100 プットの売りは費用を賄う一方、損失の谷と割当義務を作ります。また、低いプットを1枚多く買うため、ベア・プット・スプレッドより急落参加度が高まります。

  • −1/+2 の枚数、共通満期、乗数、純受取・支払いを確認します。比率を逆にすればテールリスクも逆になります。
  • 2つの損益分岐点と K_L での損失を計算し、ゼロでの利益だけを見ないようにします。
  • 受取額は当初キャッシュフローであり確定利益ではありません。中間損失帯で満期を迎え得ます。
  • 米国型ショート・プットは早期割当され、ロング・プットが残っていても株式購入義務が生じます。
  • 現金、証拠金、証券会社の強制決済方針を確認します。割当に耐えられなければ一部レッグだけが閉じられる場合があります。
  • 複合指値注文を使い、組合せ市場を確認します。買い2枚はスプレッド費用と滑りを増幅します。
  • 緩慢な下落、横ばい、IV低下、スキュー変化、時間経過を検証します。満期前は純粋な価格ヘッジではありません。
  • 2つの権利行使価格周辺の満期・ピンリスクと、発生する株式を保有できるかを計画します。
  • 「受取で始めれば損失はない。」K_L 付近の幅損失は受取額を超え得ます。
  • 「どの下落でも利益になる。」権利行使価格間の緩やかな下落が最大損失になり得ます。
  • 「急落利益は無限だ。」通常株式ではゼロが株価と満期利益を制限します。
  • 「買いプット2枚が割当を自動で防ぐ。」ショート保有者の行使権は消えません。
  • 「安いロング・プットにすぎない。」2つの分岐点、割当義務、中間損失帯があります。
  • 「高IVは常に有利だ。」レッグごとのスキューは異なり、時間と価格も純Vegaを変えます。